南米選手権の出場辞退が正式に決まった。僕はこの件に関して、是が非でも出場すべきとの立場を取ってきたから、こういう結果に終わったことは非常に残念だ。

震災の影響を引きずる状況下で国際大会に出場することは、サッカーだけでなく日本という国にとって意義のあるものだと思っていたから、出場しないこと自体に対して残念に思うのはもちろん、僕はこの問題に関する協会の対応にも失望している。

日刊スポーツには「2年前、南米連盟は難しい決断をしてくれたが、結局日本は約束を守ることができなかった。日本代表は、日本協会のものではない。応援してくれるファン、サポーターのものなのに、みんなの楽しみ、望みがかなえられないことが残念です(後略)」とする犬飼前会長のコメントが掲載されていたけど、もともと今回の南米選手権は犬飼会長時代に出場を決めたものだった。W杯招致における政治的判断や、ビジネス的な絡みなど、様々な要因の上で合意されたものだ。

ところが、日本は未曾有の震災に襲われ、その影響でJリーグのスケジュールが変更されることになる。このとき、7月の南米選手権に関する議論は十分に行われたのだろうか。

このスケジュール変更により、リーグは早々と南米選手権に選手を出さない方針を決めた。小倉会長は出場困難と判断し、その意思を伝えるべくアルゼンチンへ飛ぶ。しかし翻意を促され、欧州組中心の道を模索しはじめる。Jリーグ側は15人以上の欧州組を集めれば、という条件付きで協力するとした。

欧州への交渉へ飛んだのは原技術委員長だ。彼は代表監督招聘の交渉で失敗した過去がある。ザッケローニを連れてきたのは原委員長ではなく、エージェントだ。

結果、原委員長は欧州クラブの協力を取り付けられず、辞退決定となった。原委員長にとっては、二度目の失敗だと言われてもしかたがない。同時に、日本の国際的な政治力が低下している証拠でもあろう。

協会HPで発表された小倉会長の説明文では、欧州の事情についてしか書かれず、欧州クラブに責任を押し付けているような印象も受ける。欧州組が呼べず、ベストチームが組めないのが理由としているけど、そもそも欧州クラブの態度は地震があってもなくても変わらなかったのではないか。さらに、代替出場のコスタリカはU-22の選手が中心だというのだから、皮肉なものだね。

小倉会長が最初にアルゼンチンへ飛んでから、辞退という結果になった現在に至るまで、一連の流れを見ていると、果たしてやれることをすべてやったのか、甚だ疑問だ。本当に、出場するつもりがあったのか。

欧州クラブを悪者にしておしまい、でいいのかな。こうした問題を日本のサポーターがどう捉えるか。それが日本サッカーの行く末を決めると思うのだけど、みんなはどう思うだろうか。(了)