22日に、新しいU−21日本代表の体制とメンバーが発表された。かねてから報じられていたとおり、監督は関塚隆が務め、小倉勉ら3人のコーチでチームを作っていくという。関塚も小倉もA代表のコーチだから、トップとの連動をスムーズにするための人事だ。その狙いどおり、若手がどんどんA代表に上がって活躍するのを期待したいね。

一方で、この8年間、五輪チームをうまく強化できなかったということも忘れてはならない。2004年のアテネ、2008年の北京は、いずれも強化がうまくいかなかった。これは強化策の失敗というよりも、サッカーよりも興行、ビジネスを大事にしてしまったことにも遠因がある。
思い出してほしい。特にアテネのチームは、ばんばん強化試合という名の興行試合を行っていた。代表バブルの恩恵で、お客さんがたくさん入ったのだ。ドイツW杯の惨敗以降、代表人気が低下し、北京のチームの試合ではお客さんがあまり入らないこともあったが、いずれにしろ、当時は強化よりも興行が先行してい た。実力があってもなくても、誰もそこを指摘しなかった。テレビにしてみれば、売れればなんでもいいのである。

そのスポーツの環境は、価値観によって作り出される。これは日本の大きな特徴だね。メディアの目線は売れるか売れないかであり、大衆はそれに流される。
たとえば、U−20W杯はどこにいった? ちょっと前なら、普段サッカーをあまり観ない人ですら「ワールドユース」という単語を口にすることもあっただろう けど、ひとたび注目されなくなると、日本からはきれいさっぱり忘れ去られてしまう。女子サッカーにしても、バレーボールにしても、勝ったらつまむが、負け たら放っておくんだ。

こうした価値観が、そのスポーツの本質を見えなくし、ゆがんだ環境を作り出してしまっている。アマチュアの考え方だね。
代表チームの弱いスポーツは注目されず、五輪のメダル獲得で脚光を浴びたスポーツは3ヵ月後に忘れられる。フェンシングの彼は元気かな? これでは、本質的にスポーツの強い国にはなれない。

少々脱線してしまったけれど、ロンドン五輪を目指すチームを強化していくのは、コーチ陣だけの仕事ではなく、我々メディア、ファンの責任でもあるのだということを忘れないでおきたいね。(了)