Jリーグはやっぱり真のプロリーグじゃないなあ、と思わされるニュースがあった。先週末のリーグ戦にまつわる話題だ。
12日に行われたFC東京対浦和の試合で、浦和のサポーターが「祝!! J2東京ダービー開催!」という横断幕を出した。不調のFC東京が降格ラインぎりぎりのところにいることを揶揄したもので、洒落っ気のある皮肉だ。この横断幕自体に何か問題があるとは思えない。
ところが浦和の橋本社長は、「適切でなかった」としてFC東京の村林社長に謝罪したというのだ。

まったく苦笑するしかないね。浦和のサポーターはおつとめしているわけじゃないんだ。この程度の煽りで何に問題があるというのか。
というかそもそも、浦和のサポーターはこの試合の売り上げにすごく貢献しているじゃない。たくさんチケットを買ってくれて、運営サイドにしてみれば感謝以外にないでしょう。それでもなお、怒ったFC東京の社長が「もう来るな!」と言うのであれば、それはそれで腹が据わったケンカで面白いと思うけど、なんだが解せないね。三菱として東京ガスに謝りにいったようなものだ。

相手のメンバー発表時にブーイングするのはやめましょう、というのと同じ発想だね。結局これがJリーグ、というか日本サッカーの体質なんだ。JリーグもJFAも、どちらも文科省の管轄下だからね、プロリーグというものに対する捉え方が外国とは違うんだ。スポーツは教育の延長であり、健全なる精神育成のためのものという理念が、根底にあるのだろう。それ自体は間違っていないけど、こと「プロ」を考えたときに、無理も出てくる。

あの横断幕を見たFC東京の選手、スタッフ、サポーターが発奮して、見返す努力をする。あるいは「一度J2に落ちてるお前らに言われたくない」と言い返す。そんなふうにやり合うことが、リーグの活性化につながる側面もあるはずだよ。
だいたい「祝!! J2東京ダービー開催!」という横断幕は、FC東京サポーターが自分たちのチームを鼓舞するために出したってよかったと思うよ。今後成績が上向いていったとすれば、あの煽り文句を考えた浦和サポーターに感謝しなきゃいけないね。浦和の社長が謝るんじゃなくて、FC東京の社長がお礼を言いにいくべきものかもしれないよ。

まったく、言論統制下の社会主義国家じゃないんだから、こういう健全なケンカを大人が止めるべきじゃないね。どんどんやり合って、どんどん発奮してくれたほうが、プロリーグとしての魅力が増して、お客さんも増える。(了)