日本のW杯が終わった。パラグアイと120分間死力を尽くして戦い抜き、PK戦の末に惜敗した姿は、多くの日本人にとって忘れられないものになっただろう。選手たちは一瞬たりとも集中を切らさずに戦ったし、その思いは見ているこちら側にも十分に伝わったよね。
負けて得るものがある。そういう戦いができたことは本当に素晴らしい。大会前の僕の予想は大きくはずれたけど、嬉しいはずれ方だよ。ベスト16進出という結果には拍手を送りたい。

さて、もちろんサッカーはこれからも続いていく。日本サッカーはまた4年後のW杯、その先の未来を見据えて進んでいかなければならない。今大会での日本の戦いは感動のさなかで終わりを迎えたが、冷静に反省すべきところはしないといけないね。

大会直前のテストマッチで強豪と戦い、このままでは通用しないと判断した岡田監督は、守備的なサッカーへの方向転換を決断した。チームとしてのまとまり、初戦の相手カメルーンの迷走、なにより選手たちの奮闘など、様々な要素が絡み合い、結果的に岡田監督の決断がうまくはまった。

まさに土俵際ギリギリで盛り返したわけだけど、それまで2年、3年と時間があったにもかかわらずそうなったことを考えると、ドイツW杯以後の「代表チームの強化」としては失敗だったと思う。23人を決める前に方向転換していれば、また違った選手が入ってきたであろうし、長く中心に据えられてきた選手を本番でほとんど使わなかったことからもわかるように、当初敷いた強化のレールからは脱線している。

もちろん選手に責任はない。それは岡田監督でもなくて、協会としての指針の持ち方の部分だよ。経験不足で、世界を甘く見ていたということだ。次の4年間もこれまでの4年間と同じようなやり方では、進歩はない。そこは冷静に反省すべきだね。

今回の日本代表の戦いぶりにより、離れていたファンも戻ってきてくれた。期待されていなかった分、メディアの報道も過熱し、巷では老若男女が日本代表の話題を口にする。協会はこの流れをいい方向に導いていかなければならない。
しっかりとした指針に則って継続した強化ができれば、もっと上を狙えるかもしれないんだ。選手たちは、南アフリカの地でその可能性を示してくれた。(了)