日本代表 : FOOTBALL WEEKLY

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【刈部謙一コラム】日本代表、戦いすんで見えたもの

 8月14日のインターナショナルデイ、日本は宮城スタジアムで、前回南アフリカW杯で4位となり南米の古豪が復活と言われたウルグアイとの戦いを組んだ。この日の仙台は、このところの全国的な猛暑と比較するとかなり過ごしやすく、夏のサッカー日和としては心地よいほどでもあった。その気候がどちらに味方するのかも興味のあるところだ。

 日本にとってこの戦いは、最終章の最初の頁とも言えるものだ。来年の戦場でもあるブラジルで開催されたコンフェデの戦いで得たもの、東アジア選手権で発掘したであろう新戦力との融合、そうしたものを計るに相応しい相手であり、本番への最後の備えをするためのスタートの試合だからだ。また、それは単に予選のように結果にこだわらずに、内容にこだわることが最大の課題でもある。

 そして、結果は2−4の完敗。この結果をどうみるのか、試合後の日本は、選手も監督も多少のニュアンスの差があっても、異口同音に失点が痛かったという。先に点を取られたことで、自分たちのペースに持ち込めなかったというようなものだった。さらにいえば、自分たちのやっていることは間違っていなくて、ミスで負けたというものでもあった。

 確かに、最終章に達したのだから、いまさらやり方を変えることは無理だというのは、よく解る。変えるための手っ取り早いやり方は、選手の交代か、監督の交代。監督は選手の選択を変えようとしないし、監督を代えようという発想など、サッカー協会サイドに毛頭ない。ということは、この体制であるかぎり、やり方を問うことはできないということになるのだ。

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【寺野典子コラム】追伸:韓国戦前日のザッケローニ監督

 7月27日夕刻の練習開始予定時間を少し遅れて、選手たちが練習場ピッチに姿を見せた。
 アップのあと、中国戦とオーストラリア戦の先発メンバーにチームが分かれ、ほとんどフルコート・サイズで、10対10を実施。それほど激しい内容ではなく、確認という意味合いの強いトレーニングに見えた。
 そして最後はシュートやロングパス、クールダウンのランニングなど、選手それぞれが調整的なメニューを行い、練習は1時間くらいで終了した。疲労を考慮してのことだったのかもしれない。
 選手各々が自由にボールを蹴ったり、走ったりするピッチを見渡せる場所に立ち、ザッケローニ監督はその様子を見ていた。

 その後、前日会見の代わりに行われたザッケローニ監督の囲み取材は、オーストラリア戦前日とはまったく違う空気が監督から漂っていた。冗談で記者を笑わせることはもちろんなく、質問にも短い言葉で答える指揮官は、リラックスムードとは程遠い様子だった。
 チーム広報が「そろそろいいですか?」と最後の質問を促した。そこで一番聞きたかったことを質問してみる。「明日は勝てばタイトルが獲得できるが、勝ちにこだわるか?」と。

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【寺野典子コラム】いつもと”違う”東アジア杯のザッケローニ監督

 東アジアカップ中の日本代表のトレーニングは、すべて公開されている。男女共に出場8か国すべてに用意されたのが、同じトレーニング施設。スタジアムではないため、非公開するのが困難だからだ。
 通常なら、冒頭15分のアップ時しか見ることができない練習をすべて見られるだけでなく、ピッチ両サイドに設置された記者用のスタンドとピッチとの距離が非常に近いため、監督の言葉を訳す通訳の声もよく聞き取れる。
 非公開練習では、選手へ取材をしても断片的にしかわからなかった監督の“意図”を、メディアもダイレクトに知ることができる。貴重な時間となっている。
 しかも、初招集の選手も多い本大会メンバー用に準備されている練習メニューは、ザッケローニの哲学のベースに違いない。

 今大会のメンバーはGKを除くと、4バックのチームが二つ構成できるメンバー編成となっている。日によってやり方や強度、内容に違いはあるが、おおむねの流れは、攻守両面で、いくつかのパターンを監督が説明し、それを繰り返すというものだ。動き方、タイミング、相手のどんなプレーで反応すべきかなど、細かい指示が出されている。そして、スローインからの攻撃練習を行うなど、サイドの攻防について、時間を割くことが多いと感じた。

 そうやって説明を受けたあと、何度かそのプレーを繰り返す。それほど何度も繰り返すわけではなく、確認程度の回数で1、2回ということもある。そして、いくつかの型を学んだあとミニゲームで実戦する。
 監督の指示を伝える通訳の声だけでなく、選手の声も聞こえてくる。うまくプレーが連動しない場面で、同サイドの選手同士がイメージを確認し合う場面などを間近で見られた。

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【寺野典子コラム】3連敗からのスタートも悪くない

 世界大会での3連敗は98年のW杯フランス大会以来となったコンフェデレーションズカップ。得点数は増えたが、失点も多く、数字だけを見れば得失点差−3の98年大会を下回る−5という結果だ。(もちろん、W杯では今回のような強豪国がひとつのグループに集まることは稀だとは思うけれど)。
 チームの半分以上を欧州のクラブに所属するメンバーで構成され、史上最強という呼び声も高かったザックジャパンだが、“勝てるチーム”ではなかった。

 6月4日のオーストラリア戦に引き分けて、世界最速でW杯出場権を獲得した日本だったが、獲得がかかった最初の試合、3月のヨルダン戦では敗れている。過去97年も05年も、そして09年も「この試合に勝てば出場が決まる」という試合を日本は落としたことがない。今代表は初めて、“持ち越した”チームだった。

 その試合から2日後にドイツで話を聞いた長谷部は、「勝てば決まるという試合を落としたのは、初めてでしょ? ヨルダン戦で決められなかった自分に本当に腹が立つんだ」と語った。「最高の準備をして挑んだけれど、それでも勝てない。それは自分たちにはまだまだ力がないということなんだ」と発する言葉には熱がこもっていた。

 親善試合のブルガリアにホームで敗れ、オーストラリア戦も勝ちきれなかった。イラクとの試合で勝利できたものの、すっきりとしない思いは残った。

 コンフェデレーションズカップ初戦のブラジルでは何もできずに終わる。2点をリードしたイタリア戦では善戦し、自信と手ごたえをつかんだが、4−3で勝てなかった。
「イタリアを相手に日本が成長しているというのを見せられたこと。イタリアの選手たちからユニフォームを交換しようと言ってもらえたのは素直に嬉しかったけれど、負けているからね」と語った長友をはじめ、誰一人喜んでいる選手はいなかった。

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【寺野典子コラム】中学生とプロほどの差、屈辱のブラジル戦を振り返る

 6月17日。
 ブラジリアは今日も晴天に恵まれている。青い空に白い雲がうかび、午前中から日差しは強く、サングラスが手離せないほどだ。

 FIFAコンフェデレーションズカップ開幕から3日。オープニングゲームのみ開催のブラジリアには、国際大会の余韻も消え始めている。そして、ブラジリア市内でトレーニングを行った日本代表チームにも溌剌とした空気が戻っていた。昨日は別メニューだった長谷部、本田、吉田も練習に合流している。

 6月16日。
 試合翌日の練習はすべて公開されたが、クールダウンメニューの先発組からも、ボールを使ったトレーニングを実施した控え組からも、明るいオーラを感じることは出来なかった。練習終了後にはザッケローニ監督と遠藤が通訳を交えて30分近く話し合っていたが、お互いが納得し、話を終えたという感じではなかった。監督が熱く語れば語るほど、遠藤が淡々と答える……。スタンドからはそんな風に見えた。

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