石井紘人 : FOOTBALL WEEKLY

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【石井紘人コラム】誤審を防ぐにはテクノロジー化しかない

ミーハーな気持ちで見たラグビーW杯2015イングランド大会には驚きの光景があった。
それは、日本が南アフリカに勝ったことではない。審判団がテクノロジーを駆使して判定していたことだ。

日本代表×スコットランド戦では、分かり辛い判定を審判団が映像で確認していた。AFPBB Newsによると、「今回のW杯では、専属の判定員が、判定補助システムの「ホークアイ(Hawkeye)」を使ってタッチライン際から試合を観察し、審判団が見逃した選手の反則に警告を与える」。

さらに、同紙によると、今大会で審判委員長を務めるジョン・ジェフリーは「ある文化が忍び寄りつつある。私はそれを、サッカーのシミュレーション文化と呼んでいる。審判に反則をアピールしたり、選手がダイブする行為だ。そういった事例が、何度か見られるようになってきている」とラグビー界に警鐘を鳴らしている。

ある意味では、誤審を生まないためだけではなく、そういった行為を取り締まるためのテクノロジーでもあるのだろう。

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【石井紘人コラム】JリーグとUEFAの審判員の違いとは?

UEFA(欧州サッカー連盟)は2010年から、将来国際審判員としての活躍を見込める若手審判員(30歳程度まで)を集中的に研修させるプログラムとして、『CORE(Centre of Refereeing Excellence) Programme』を開催している。

実はこのプログラムに、トップレフェリーインストラクターの岡田正義氏、木村博之主審、田中利幸副審、平間亮副審が2012年に参加している。

岡田氏は、FIFA(国際サッカー連盟)とUEFAの違いを、「FIFAは全世界が対象なので、審判インストラクターたちも、レベルの高い国から、そうではない国まで指導しなければなりません。UEFAに加盟している国はサッカー、審判員のレベルが高い国が多いこともあり、研修内容も、FIFAよりもコンパクトで洗練されている感がありました」と分析する。つまり、よく言われる“判定基準の違い”は感じなかったということだ。一方で、UEFAのサイエンスの取り入れ方、審判員に対する予算のかけ方には驚いたという。

とは言え、このプログラムに参加した欧州の審判員も抜けていることはある。たとえば、イエローとレッドカードを同じポケットに入れていたらしく、岡田氏が気付き、「それは、別にした方がいいよ」と助言したというエピソードもある。

そんな欧州の審判員と日本の審判員の違いは、どこなのか? 岡田氏はプログラム参加後の2013年に『強さ』だと教えてくれた。

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【石井紘人レポート】オープンになった審判委員会

本日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会による記者ブリーフィングが行われた。今回のブリーフィングは、「Jリーグ前半戦が終了した時点で、今シーズンの判定基準(スタンダード)、特に球際のプレー、ペナルティーエリア内とその周辺のインシデントなどについて振り返り、メディアの方々との相互理解を深める」目的をもって開催された。

出席者は、JFA審判委員長である上川徹氏とJFAトップレフェリーインストラクターの廣嶋禎数氏。FIFAワールドカップ2006年ドイツ大会で3位決定戦を担当したコンビが、50人近いメディアに明瞭に判定を説明した。

今回のブリーフィングで審判側は、自らのミスも含め、今シーズンの判定のなかから20以上のジャッジを説明した。ベガルタ仙台×浦和レッズ戦での競り合いでのシミュレーション、ヴィッセル神戸×FC東京戦でのシミュレーションの見逃し、川崎フロンターレ×ヴィッセル神戸戦でのゴール判定のミス、清水エスパルス×鹿島アントラーズ戦でのハンドリングの見逃しなど、多岐に渡った。


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【石井紘人レポート】日本代表戦よりも注目すべきJFA会長選

遂に日本サッカー協会(JFA)会長選にメスが入った。

簡単に説明すると、今まではJFA会長になるには、幹部たちの推薦が必要だった。形式上は幹部が選んだ人物を47名の評議員会が追認する形ではあったが、形骸化していたと指摘するメディアは多い。ゆえに、真偽はともかくとして、「川淵三郎元会長が院政をしいているのでは」という報道が多かったのだろう。セルジオ越後氏も本誌にて「JFAの人事はこれまで、いわゆる“密室”の中で行われてきた」と表現している。

それをFIFA(国際サッカー連盟)も感じていたようで、昨年、組織の透明性を高めるように指導を行い、JFA会長は選挙を含む形で決める方式に変更となったのだ。

これによって、次のJFA会長は、7人以上の評議員の推薦があれば(*いくつかの条件はあるが)立候補できる。また、評議員も47名から75名に増員された。
とは言え、“これでJFAが透明化される”とするのは安直だろう。

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【石井紘人コラム】家本政明主審に聞く「現代のスポーツ界に思うこと」

amazonベストセラーランキングで快走を続けていた『足指をまげるだけで腰痛は治る!』。その監修者であるメディカルトレーナー・夏嶋隆氏とによる拙著『ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る!』が発売された。
同著では、肩こりや首こりなど、首と肩の痛みを治す12のメソッドを公開しているが、今回は夏嶋隆氏に弟子入りし、現在、日本トップのレフェリーとして活躍する家本政明氏のインタビューを抜粋して紹介する。

■現代のスポーツ界に思うこと
夏嶋氏のもとで人体のさまざまなしくみを学んできた家本氏は、現代のスポーツ界に疑問を感じています。

「アスリートが、よく上半身の動かし方についてトレーニングすると思うのですが、亜流のやり方が多いように感じているんです。たとえば、走りに特化した人であっても、なんとなく『こういうフォームがいい』と亜流が広まっている。スポーツの専門雑誌やトレーニング本などを見ても、解剖学的なことは詳しく書かれていません。でも、クラシックバレエの本には、必ず解剖学のコーナーがあるんです。

 以前、『実際にトップ選手はどうなのか』と、夏嶋先生と二人で五輪や世界陸上のゴールドメダリストたちの動作解析を行ったことがあるんです。当然、足の運び方や骨盤の位置も違うのですが、腕の振り方や肩甲骨の位置にも違いがあった。

 陸上界で有名な方も、『腕というのは、肩甲骨から派生している。肩甲骨から動かすイメージの方が、結果的に全身が効率的に動く』といって仰っていました。

 体の軸を固定して、手と足だけを動かして走っても、手と足は小さい筋肉の集まりですよね。その動かし方だと、手や足がオーバーヒートしてしまいます。
 そうではなく、体全体の筋肉をバランスよく使わないといけないのですが、そのためには『中』の筋肉を動かさないといけない。機能として、外の筋肉が動きすぎると、中の筋肉は起きてくれません。固まってしまうんですね」

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Football Weeklyは、サッカーに特化したブログメディアです。日本サッカーの現状や提言など深く斬り込んだコラムを発信します。
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