加部究 : FOOTBALL WEEKLY

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【加部究コラム】もっと多角的な育成を

岡崎慎司がプロ入り後に、清水で元陸上短距離選手の杉本龍勇コーチに指導を受け、見違えるようにスプリント能力が高まったというのは、よく知られる話だ。

速く走る能力は、ほぼ遺伝で決まるとの見解もある。もちろんもともと素質のない者が、陸上競技でトップスプリンターになるのは難しいだろう。だが岡崎のケースを見ても、特に陸上競技以外では、正しい動きが出来ないために、十分に資質を生かし切れていない選手が多いように見える。

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【加部究コラム】ロンドン五輪、大健闘の中で見えた上積み要素

 44年前、メキシコ五輪での銅メダル獲得の要因を、海外メディアは次のように報じたそうだ。

「日本は最高のコンディションを整え、シンプルな戦術に徹したことが成功に繋がった」

 釜本邦茂という大会得点王に輝く最高のストライカーを擁し、アシスト役には駿足のドリブラー、杉山隆一がいた。彼ら2人は守備の役割を免除され、逆に他の9人は耐えて2人に繋ぐことを考え続けた。

 そういう意味では、今回ロンドン五輪の成功も、44年前に通じる部分がある。もちろん当時と比べれば、戦術は複雑化しているし、守備の役割が免除される選手はいない。ただし労を惜しまぬ守備と、カウンターを武器に、全員が迷いなくチームに貢献したのは共通している。

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【加部究コラム】U-23日本代表、指針なきままの航海

FC東京のポポビッチ監督が、五輪代表へのバックアップメンバーの帯同に異議を唱えたという。今回は欧州でのテストマッチにバックアップメンバーも加わり、本大会を前に帰国した。だがそうではなくて、もし故障者が出た場合に合流させればいい、というのが同監督の主張である。

正論だと思う。W杯と異なり、五輪の場合は開催中も、国内のリーグ、カップ戦が途切れない。そしてバックアップの4人は、いずれも所属クラブでは重要な戦力になっている。結局個々が良いコンディションを保ち、有益な経験を積み上げることが、日本サッカーの発展に繋がる。そう考えれば、バックアップの4人は、国内でプレーし続けて良かった。

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【加部究コラム】異質で新鮮な名古屋のサッカー

 夏場が近づき、Jリーグでは開幕ダッシュに失敗したG大阪を除くACL出場組が、徐々に順位を上げてきた。特に好調同士の対戦で、改めて潜在能力の高さを見せつけたのが名古屋だった。

 国立でのアウェイ戦で、柏を下したストイコビッチ監督は語った。
「柏は前年度のチャンピオン。なかでもファンタスティックな中心選手のレアンドロに仕事をさせなかった。これは大きな勝利だし、ようやく開幕を迎えた気分だ」

 欧州基準で眺めれば、名古屋は実にオーソドックスなサッカーをしている。常に両翼がライン一杯に張り出し、長短と高低自在のパスを駆使して攻略して行く。すっかりショートパスでの繋ぎに傾いた日本では、異質であり新鮮に映る。

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【加部究コラム】ザック采配の裏に見え隠れする序列

“ザック采配の裏に見え隠れする序列
[Daniel Munoz / Reuters]


 日本はW杯最終予選3戦目で初めて難しい状況に直面することになった。アウェイの気候、荒れたピッチ、それに不得意なスタイルである。

 ブリスベーンは豪州では最も温暖な地だ。豪州は、酷暑のオマーンから戻って日本戦を迎えることを想定し、最も温度差が少ない場所を選んだのかもしれない。だがそれでも試合前日は天候が悪化して気温が低下。日本側では、今野が微熱を出すなど影響が出た。また前日会見で長谷部主将は「荒れたピッチは相手も同じ。それを理由にするのはプロとは言えない」とコメントしたが、やはりサッカーのスタイルや選手の特質を考えれば、豪州有利に働いたに違いない。

 そして何より豪州は、日本のアグレッシブなプレッシングを避け、スペースが見つからなければ2人のFWにロングボールを供給して来た。さらに反撃を試みる日本が、SBも押し上げ分厚い攻撃を仕掛ければ、その裏を突いてサイド攻撃に出た。
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