09_tatsuya_1FW第23回「J1通算300試合出場達成に想うこと」



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今日を必死で生きていく。その幸福感

 8月16日の清水エスパルス戦で、J1通算300試合出場を達成しました。

 セカンドステージ開幕を前に、練習中に負傷、チームから離脱してしまいました。ファーストステージ最終節の時点で残り2試合で300試合となりましたが、それを達成したいという気持ちよりも、いち早く、復帰したいということしか考えていませんでした。約2週間で復帰できたことは、良かったのですが、週2試合の連戦時期だったので5試合も欠場することに。チームにも迷惑をかけたし、出場のチャンスを逃したという意味でも、今季は怪我なく来ていただけに、とても残念です。

 復帰後も、浦和レッズ戦で敗れ、清水戦でも引き分けてしまい、なんだかすっきりしない気持ちもありました。でも、「300試合出場おめでとう」と多くの人にお祝いの言葉をいただいて、しみじみと噛みしめるような喜びが湧いてきました。

 2001年4月29日 鹿島アントラーズ戦でデビューしてから、15シーズン。たくさんの指導者、スタッフ、チームメイト。そしてサポーターの方々の支えがあったからこそ、僕は、戦い続けてこられたんだという、感謝の気持ちでいっぱいです。

 2005年にヤマさん(山田暢久氏)が29歳で300試合出場を飾りましたが、僕は300試合出場を達成するのに10年もかかってしまいました。その間にヤマさんは501試合出場を達成したかと思うと、やっぱり人並み外れた選手だったんだなと思います。

 確かに15年間ですから、いろんなことがありました。でも、「過去に想いをはせる」という感じはありません。同時にこれから先の未来を想うことも無いんです。
 ただ、今日を必死で生きていく。そういう日々を送れているを本当に幸せに思うからこそ、応援してくれる方へ勝利を届けなくちゃいけないと強く思うだけです。

●集中し、熱中できることをやりきる少女になってほしい

 小学4年生になった上の娘は、この夏も毎日のようにサッカーに明け暮れています。
 4年前、サッカーを始めて間もない娘は、なでしこジャパンが世界一になったワールドカップを見て、澤穂希さんに強く憧れを持った様子で、「澤さんみたいになりたい」といっそうサッカーに打ち込むようになりました。新潟に来てからはチームにも所属し、男の子といっしょにプレーしています。
 たまに練習や試合を見に行くこともあります。

 自分でいうのも変ですが、僕は子どもに対して、厳しい父親だと思います。それはサッカーに関しても同じですね。
 彼女にサッカーの才能があるのか、どうかはわかりません。でも、サッカーが好きで、負けたくないと頑張っている姿を見ると、うまくなって、活躍してもらいたいという風にも思うけれど、一番に考えているのは、サッカーに限らず、何かひとつのことに集中し、熱中しているのであれば、それをやりきる少女になってほしいなということ。

 僕自身も子どものころから、サッカーをプレーしながら、多くのことを学びました。
 うまくなりたいと努力した結果、上達したり、結果が残せたりすれば、やっぱり楽しいから。もちろん、良いことばかりじゃないし、勝ったり負けたりがあって、悔しさを味わったりしながら、それでも、頑張ることの楽しさを知ってほしい。そういう体験が、人として生きていくうえで、響いてくると思うので。
 それをわかってほしくて、厳しいことを言ったりしています。

 彼女の夢は、なでしこジャパンの一員になること。憧れの澤さんのような活躍がしたいと言っています。その気持ちは僕にもわかるし、親としては嬉しいです。
 でも、いつも僕が言っているのが、「プロになるため、代表に入るために、サッカーをやるんじゃないよ」ということ。プロになりたいという目標やなでしこジャパンに入りたいという夢を抱くのも大事なことだと思うけれど、「プロになりたいから練習する」というのは、順番が逆とじゃないかと思うんです。

 確かに子どものころから、海外でプレーするとか、そういう目標を意識して、準備している人もいるかもしれません。
 でも、一番大事なのは、サッカーが好きだから、負けたくない。上手くなりたいという気持ちで練習に取り組むこと。「サッカーが楽しい」ということが大前提というか、最初にあるべきだと。
僕自身がそうだったし、そうやって過ごした毎日の先にプロがあり、代表がありました。
そこは、今も変わりません。
 サッカーが好きだし、楽しい。この歳になっても、まだ成長できる。自分の可能性を模索し、探究することに喜びを感じている。だからこそ試合に勝てないと心底悔しいんです。
娘にもそういう気持ちで、ボールを蹴ってほしいと願っています。

 練習に疲れて、眠りにつく娘の真っ黒に日焼けした寝顔を見ていると、自分の少年時代を思い出すこともあります。娘に負けないようにとは思わないけれど、彼女の存在が、僕に初心を忘れさせてくれないのかもしれません。
 そういう家族がいてくれることが、僕にとっての支えになっています。
 通算300試合出場という節目にたくさんの「おめでとう」をいただきました。「ありがとうございます」の想いを込めた勝利をひとつでも多く届けたいです。


【構成/寺野典子】


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田中達也選手 J1リーグ戦通算300試合出場達成記念グッズ販売のお知らせ
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8月16日(日)清水エスパルス戦においてJ1リーグ戦通算300試合出場を達成した田中達也選手の記念グッズがアルビレックス新潟より発売されます。

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限定100枚のペナント
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スタジアム、オフィシャルショップ「オレンジガーデン」、オフィシャルインターネットショップ「アルビレックスショップ」にて、9月6日まで受付予定(△鉢は限定数に達した時点で受付終了)
(問) 株式会社アルビレックス新潟 営業部 事業グループ  
   TEL:025-282-0011(月〜金 10:00〜17:00 土日祝祭日はお休み)
   メール:info@albirexshop.com