遂に日本サッカー協会(JFA)会長選にメスが入った。

簡単に説明すると、今まではJFA会長になるには、幹部たちの推薦が必要だった。形式上は幹部が選んだ人物を47名の評議員会が追認する形ではあったが、形骸化していたと指摘するメディアは多い。ゆえに、真偽はともかくとして、「川淵三郎元会長が院政をしいているのでは」という報道が多かったのだろう。セルジオ越後氏も本誌にて「JFAの人事はこれまで、いわゆる“密室”の中で行われてきた」と表現している。

それをFIFA(国際サッカー連盟)も感じていたようで、昨年、組織の透明性を高めるように指導を行い、JFA会長は選挙を含む形で決める方式に変更となったのだ。

これによって、次のJFA会長は、7人以上の評議員の推薦があれば(*いくつかの条件はあるが)立候補できる。また、評議員も47名から75名に増員された。
とは言え、“これでJFAが透明化される”とするのは安直だろう。

ある意味では、メディアの力が問われていると思う。たとえば、各メディアが候補者たちにマニュフェストを取材し、JFAとは別の視点から、候補者たちを論じる必要がある。

「ジャーナリストは権力にたいする独立した監視役という役割を果たさなければならない」(『ジャーナリズムの原則』より)と言われているように、75名の評議員たちに、選挙を委ねるだけでは意味がない。そもそもで、選挙に関わる評議員が75名という少数で良いのかという侃侃諤諤の議論も必要だ。世論を巻き込み、日本サッカー界全体の選挙にしなければ、何も変わらないように感じる。

日本には、1,000人以上のプロ、7万人を超える指導者ライセンス保持者と20万人を超える審判員がいる。彼らの声を代弁するのも、メディアの役割ではないだろうか。(了)


◇著者プロフィール:石井紘人 Hayato Ishii
著書『足指をまげるだけで腰痛は治る!』(ぴあ)が絶賛発売中。自サイトFootball Referee Journalにて『審判批評』『インタビュー』『Jリーグ紀行』『夏嶋隆コラム』を更新。審判員は丸山義行氏から若手まで取材。ツイッター:@FBRJ_JP。