09_tatsuya_1FW第20回「幸せを噛みしめながら」プロ15年目シーズンスタート。



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お久しぶりです。
いよいよ、Jリーグ2015シーズンの開幕が間近となりました。

新潟へ来てから、3シーズン目を迎えるわけですが、過去2シーズンを振り返ると、みなさんの期待に応えるプレーが出来ていないと感じています。

ゴール数も少ないし、自分らしいプレーが表現できているかというと、本当にまだまだです。もっともっと練習から、やらなくちゃいけない。今までも継続してきたことですが、今も合宿では「ゴールのための動き」というものを強く意識してやっています。どんどんドリブルでしかけていけるような体力をつけたいとも考えています。

●田中達也らしいプレーで

「怪我をしない」
シーズンの目標も例年と同じです。とにかく1年間、活動できることが大前提で、もっとも重要なことです。それができてこそ、試合に出ること、ゴールを決めること、チームの勝利に貢献すること……と、たくさんの目標に近づけるわけだから。

昨季はベンチスタートの試合も多く、悔しさもありました。そのうえ、新しい選手が加入し、FWのポジション争いも激しくなりました。そういう状況は確かに大変です。でもそんななかであっても、楽しんでやっていきたいと思います。

サッカーを始めて以降、ポジション争いはずっと続いています。どんなチームへ行ってもライバルがいます。競争に勝つためには、自分の強み、個性を磨くことが重要だと思います。ただ、チームの一員として、やるべき仕事、求められる仕事をしたうえで、自分らしいプレーをする。これが一番大切なこと。

チームの勝利のために闘う。それが僕らの使命であり、担うべき務め。だから、勝利は何よりも嬉しいことです。
しかし、その気持ちとは別に、イチ選手としての自分の出来に対する想いもあります。
勝っても、自分のプレーが全然ダメなら、「なぜ、ダメだったのか?」「あそこはこうすべきだったのか?」など、帰宅してから、悔しくて、自問自答するし、ひと晩は考え込む。そして「明日の練習から絶対にやってやる!」という感じになるんです。そういう向上心がない選手はダメだと思います。

ゴールを決めることは、勝利をもたらすうえで、チームにとって大きな助けとなる仕事です。しかし、ゴールだけが仕事というわけではない。チームから与えられた仕事をおろそかにはできません。
田中達也らしいプレーを活かした結果、勝ち点3を手にできるようになれば、良いなと思います。


●西村卓郎さんの言葉

今季はプロ15年目のシーズンとなります。
高校を卒業して、プロになったころも、「30歳くらいまでプロでやっていければいいなぁ」と漠然と考えていました。必ず終わりが来るし、永遠にプロ選手ではいられないことをわかってはいても、「あと何年」という風に逆算することもないし、やめるときのことを考えることはなかったんです。
でも、ここ数年は「時間を無駄にはできない」と強く想うようになりました。

先日、インターネットである言葉に出会いました。
「“選手”の時間はやはり特別である。サッカーに情熱を傾け、犠牲を払い、研鑽を続ける。その成果を試す場が1週間に一度訪れる。こんな刺激的な生活サイクルは現役を退いてからはなく、君たちが過ごしている今という日常は、実は非日常的な特別な時間なんだ」

これは関東リーグ1部のVONDS市原で監督を務める西村卓郎さんのブログで紹介されていた西村さんが選手たちに伝えたメッセージ。僕の想いを代弁してくれるような言葉でした。
西村さんと僕は浦和レッズの同期選手なんです。僕は高卒、西村さんは大卒ルーキーでした。当時から、よくふたりでサッカーの話をしていました。

あれから15年、試合があること、整ったピッチで練習できること、仲間がいて、成長のきっかけを与えてくれる競争環境があること……当たり前のように感じているほとんどの出来事は、とても特別なんことなんです。プロで闘っていくうえで、そういう環境に慣れていくことも必要です。しかし、そういう非日常、特別な環境で暮らしていることに感謝し、幸せを感じながら、暮らしなくちゃいけない。今までも感じていたけれど、西村さんの言葉によって、改めてその想いを強くしました。

アルビレックスでは今年も長い合宿が続きました。
第1次キャンプが17日間に第2次キャンプが14日間。その間サッカーに集中できる環境を作ってもらえている。練習が終われば、食事も用意されていて、休息もあり、24時間サッカーに向かい合える。そんな1日は、本当に豪華な1日だと思うんです。その幸せを噛みしめながら、毎日を過ごしていきたいです。

今年も応援よろしくお願いします。


【構成/寺野典子】