09_tatsuya_1FW第19回「感謝の気持ちを込めて」



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12月に入った途端、寒くなり、一気に冬到来となりましたね。
新潟でも積雪によって、12月6日に予定されていたJリーグ最終節の対柏レイソル戦が延期に。そして急きょ12月8日、カシマスタジアムで試合が実施されました。
 
最終節を楽しみ待ってくださっていたサポーターのみなさんの多くが、スタジアムで試合を見られなかったのは、天候が原因とはいえ、本当に残念な気持ちになりました。しかも、そういう大事な試合で勝利できなかったのも非常に悔しかったです。11月29日の横浜Fマリノス戦でもいい内容ながら0−1と敗れていただけに、「最終節こそ!」と意気込んでいたので。

新潟へ来て、2シーズンが終了したわけですが、結局また、何ひとつ恩返しができなかった。サッカーをプレーできる喜びを実感しながら、その場を与えてもらったことに対して、監督、スタッフ、チームメイト、そしてサポーターとアルビレックス新潟に関わるたくさんの人たちへの感謝は、日々強くなっています。だから、結果が出せない自分がもどかしいし、歯がゆいです。

充実した時間を過ごしながら、自分自身の成長を感じることができる。
それは選手として、大きな幸せでもあります。でも、同時に、「だからこそ、もっと成長しなくちゃいけない」と思うんです。技術面、戦術理解度、フィジカル、そしてメンタル……成長すべきポイントはいっぱいあります。逆に満足できる部分がありません。満足したら、終わりですから。

とにかく、いろんな意味で「もっともっと強くなりたい」と今は考えています。
たとえば、メンタル面であれば、もっといい意味でエゴイストな一面を持つとか。身体の強さ、勝負強さ……言えばきりがないですね。
そんな風に「もっと、もっと」と思えることは、選手としてだけでなく、人間としても、良いことだと思います。だから、こうやってサッカーをやらせてもらえているのが、本当に幸せです。

「帝京高校のサッカー部の入部テストを受けたい」
山口県の中学3年生だった僕が、そう告げたとき、両親は反対しました。3歳上の兄貴も高校進学と同時に実家を出て、県内で下宿生活中。今度は僕が東京へ行くと言い出したわけです。もちろんテストに合格しなければ、帝京高校への入学も、サッカー部への入部もできません。

「とにかく、テストだけでも受けさせて」と特に強く反対していた母親を説得しましたが、心の中では、絶対に合格して東京へ行くと決めていました。両親の言葉を聞く耳を持たず、「行きたい」の一点張りだったんです。そして、テストに合格。両親は最後には快く、僕を東京へ送り出してくれました。
当時の僕は、上京を反対する両親の気持ちを理解しようともしなかった。なにより大事なのは自分の気持ちだったから。でも、今、自分が親になり、振り返ると、反対した両親の気持ちが痛いほどわかるんです。

子どもと離れて暮らす寂しさ、レベルの高い環境でやって行けるのだろうか?という不安。同時に経済的な負担だって、軽くはなかったはずです。
というのに、僕の気持ちを尊重してくれた両親。ふたりの決断があったからこそ、僕はプロ選手になれたんだと思います。だからとても感謝しています。でも、それを言葉で伝えたことは、正直なかったかもしれません。元気でプレーしている姿を見せることが恩返しになればいいなとは思っていたけれど、きちんと感謝の想いを伝えなくちゃいけないですよね。

この年でもサッカーが続けられているのは、自分の力はホンのわずか。両親はもちろん、支えてくれる家族をはじめ、周りの人がいてくれたから、周りの人たちの力があったからだと思います。

もちろん、声援を贈ってくれるサポーターの方々の存在も大きな力になっています。

今年はシーズン序盤で腰を痛め、離脱する時期がありましたが、来年は1年間フルで戦いたいです。
少しオフを頂いて、新シーズンへ向けて、今まで以上に良い準備をしたいと思います。
 
今年も1年間、いろいろとありがとうございました。
来年も皆さんにとって、アルビレックス新潟にとって、素晴らしい1年になることをお祈りいたします。

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※2015年1月は休載しますが、新年2月から再開します。

【構成/寺野典子】