アギーレ監督の２戦目は、先制しながらも、やらずもがなのPKやミスから同点とされ、２−２の引き分けに終わった。

　監督も会見で振り返っていたが、前半は明らかにべネズエラのペースだった。
　後半に入ると、選手を入れ替えたのと、もっとアグレシッブにという指示が効いて、後半開始から出場の武藤が見事にゴールを決める。新しく選んだ若手が得点したことで、監督の期待、思惑が見事にはまったように見えた。

　だが、すぐさま失点する。明らかに相手FWが体を寄せて来ているのに、それに見事に水本が応えてしまい、PKとなって追いつかれるのだ。武藤の先制点から７分後の58分のこと、監督とサポーターの喜びはわずかな時間しか持たなかった。それでも、日本は岡崎のクロスをファーサイドに走り込んで来た柴崎がボレーで決めて、再びリードする。またも監督が期待していた若手のゴールだった。

　ところが、「ミスは確実に決められてしまった」と監督が言うように、チーム最年長の川島がなんとも信じられないミスをおかして、再びベネズエラが同点。「ミスに対して、運がなかった」とまで監督が嘆くような結末となった。

　若手ががんばり、ベテランがミスをするというのは、アギーレジャパンのありようを象徴しているように思える。若手は思いっきりよくやって結果をだし、ベテランは慎重にやろうとしてイージーなミスをする。勝ちたかった監督の足を引っ張ったのは、これまで実績があったメンバーなのだから、コアと思われるメンバー以外は若手に切り換えるチャンスなのかもしれない。要するに新しい監督には新しいメンバーということだ。

　ただ、監督はこうした親善試合でミスをするのは、全くかまわない。こうしたことで、アジアカップのような大会でミスが出なくなれば良いのだからともいう。ベテランは修正ができるからこそ、ベテランと言われるまで現役でプレーできるということだろう。

　まだわずか２試合、この時点でどうこう言うのは余りに過酷だろう。どんな監督でも５試合ほどで自分の考えを実行できるチームが出来上がると監督自身が言っている。そういう点では、１試合目よりは２試合目という具合で、「進歩」というには物足りないが、それでも何かが始まっている感はある。
　現段階でいいの悪いのとは言えないし、言うべきでもない。ただ、アギーレ監督は結構頑固だし、勝ちに対するこだわりがかなりあることは見て取れる。そういう視点から、今後どんなメンバーを選ぶのか、次のメンバー発表が楽しみなのは間違いない。