09_tatsuya_1FW第13回「「バルサの核はイニエスタ!」



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 バルサ、見事に逆転勝利を飾りましたね! 
 前半が終わって2−2。後半開始早々にレアル・マドリーのクリスチアーノ・ロナウドがPKで勝ち越し弾を決めたあと、メッシのPK2本でバルセロナが逆転。3−4というスコアとなった3月23日のリーガエスパニョールのクラシコ。7得点中3点がPKというのも珍しいとは思うけど、それだけ激しくデリケートな試合だったんだと思います。とにかく僕は、バルセロナが大好きなので、純粋にファンとして勝利を喜んでいます。

 10月のバルセロナホームのクラシコでの敗戦以来、負けなしだったレアルはこのゲームで2位に順位を下げ、続く試合で連敗し3位に。連勝したバルサが2位に浮上しました。(3月28日現在)首位のアトレチコが勝ち点73点。2位バルサが72点。3位のレアルが70点と上位争いは混戦模様です。残り8試合。本当に楽しみです。

 5月18日の最終節はバルセロナ対アトレチコ・マドリー戦。優勝争いはここまでもつれ込むような気がします。
 しかも、バルセロナは欧州チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝でもアトレチコと対戦するので、その試合がリーグ戦にも大きな影響を与えるかもしれませんね。それにしても、ここでスペインのチーム同士が対戦するのは、とてももったいないですよね。どちらかのチームがここで敗退してしまうわけですから。

 僕としては、チャンピオンズリーグの決勝戦でバルサ対バイエルンのカードが見たいと思っています。グアルディオラ監督(以下ペップ)率いるバイエルンは、すでに史上最短でブンデスリーグ優勝を決めました。最強と言われるバイエルン相手に、バルサがどういうサッカーをするのか、想像するだけでワクワクしてきます。

 ペップのことは、現役時代からゲームを読むのが上手い選手というイメージがありました。とにかく頭のいい選手だなって。バルサ時代もそうだし、その後のイタリア時代も、インサイドキックでボールをさばく印象が強く残っています。ほとんどインサイドキックしか、使ってないんじゃないかという感じで。

 そんなペップが監督に就任して、バルサのサッカーがもっとも変わったのは、守備の部分だと思います。ボールを奪われたときに、素早く守備へと切り替わり、全員でボールを奪い返すというのが、非常に徹底されていた。選手それぞれが高い技術を持っているので、選手同士が近い距離でポジションをとり、パスをつなげるからこそ、できる守備なんじゃないかと思います。基本的にボールを奪われるシーンが少ないし、たとえ奪われても、選手間の距離が短いので、グッと取り返しにいける。
 技術がなければ、ボールを失う場面も増えるし、そのたびに守備をしなくちゃいけないけど、バルサの場合はそうじゃないのが強みですよね。

 あとは、メッシのポジションが中央に変わり、すごく点をとるようになった。ロナウジーニョやデコが居なくなって、メッシ中心のチームになり、メッシに自由が与えられたのかなと思います。
 メッシを見ていて感じるのは、身長的には僕とそれほど変わらないのに、屈強なディフェンダー相手にも動じないプレーはすごいなぁって。ただただファンとして見ているだけですね。

 でも、バルサで一番好きなのは、イニエスタです。イニエスタの24番のユニフォームも持っていますから! やっぱりバルサのサッカーの核になるのは、イニエスタとシャビの中盤だと思っています。シャビはボールを散らすタイプの選手ですが、イニエスタはそれプラス、ドリブルでボールを運ぶことができる。パスとドリブルという選択肢があるイニエスタがいることで、バルサのサッカーに変化が生まれる。イニエスタが居ないとダメなじゃないかと思います。
 とにかくボールを取られないイニエスタのプレーが大好きなんです。懐が深いというだけじゃなくて、ボールの置き方も上手いし、すごいターンとかでボールをキープしたりするのを見ると、「スゲー!」って、興奮しちゃいます。

 ペップがバルサを去り、バルサのサッカーも少しずつ変わったのかなとは思います。正直、ペップ時代に比べたら、少し、魅力が薄れたかもしれません。選手間の距離も少し開いているようにも感じるので。しかし、バルセロナへの愛情は変わらないのは事実です。

 昨シーズン途中に、ペップの監督就任が発表されていたバイエルンですが、結果的に3冠を達成したチームの指揮官を変えたというバイエルンの首脳陣は、すごい決断を下したんだなと思います。
 ペップはドイツ代表でもサイドバックをしていたラームをボランチで起用。監督自ら「最高のインテリジェンスを持った選手」と称賛するラームを中央に置くことができるのも、ラフィーニャという優秀なサイドバックがいたからだと思います。ペップはそうやって選手間の競争を促しているんでしょうね。
 3冠を獲った一流選手たちもペップというカリスマの登場で、さらなる向上心が生まれたのかもしれません。
 バイエルンのサッカーは、ペップ時代のバルサとの共通点はあるけれど、やはりイニエスタがいない分、また違ったスタイルなのかなと感じています。それでも結果を残し続けるのは、すごいことですよね。

 冒頭で紹介したクラシコもそうですが、欧州サッカーはほとんどDVDや再放送などで見ています。生放送を見るとさすがに練習に差し支えるので。朝起きて、練習へ行く前に深夜に行われた試合の結果をチェックします。しっかり練習をして、身体のトリートメントも行い、仕事であるサッカーを終わらせてから、自宅で試合の映像を見る時間は、本当にリラックスしているし、僕はイチサッカーフアンとして、試合に集中します。

 僕が試合を見始めると、家族は僕のそばから離れていきますね。何か話しかけても、僕はリアクションしないので。だから、「見て見て、今のすごいプレーだったよ」と僕が言っても、家族のリアクションもほとんどありません(笑)。
 そうやって見るサッカーから、自分のプレーにフィードバックさせることも、もちろんあります。多くはFWの動き出し。「こうやって膨らんで、出ていくのか」と昔なら、ラウル・ゴンザレスやロナウドやビジャのプレーを参考にしていましたね。

 リーグ終盤で盛り上がる欧州サッカーシーンですが、Jリーグはまだ始まったばかりです。アルビレックスは好調なスタートを切れたと感じていますが、そういうときは、チームとしても選手としても成長できるときだと思うので、チャレンジ精神を忘れずに、闘っていきたいと思っています。


【構成/寺野典子】