09_tatsuya_1FW第12回「いよいよ開幕! キャンプではペップの本を読んでいました」



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 1月24日に静岡・沼津で始まったキャンプもその後、2月2日からは高知・春野で約2週間行われ、2月18日からは、静岡の清水へ移動し、2月23日に終了しました。

 雪の多いに新潟では、グラウンドでのトレーニングを行うのが難しいということで、アルビレックスのキャンプは、長期間に渡ります。キャンプ地が変わる合間のオフには新潟で家族と過ごすことができますが、約1カ月、家族と離れての暮らしは、当然寂しさも感じます。

 毎晩、子どもたちが就寝する前のタイミングで、家に電話をかけて娘と話をします。「今日はどんな1日だったの?」とか、他愛もない会話ですが、彼女たちの声を聞いていると、やはりリラックスできますね。僕が居ない間、子どもの入浴などいつもなら僕がやることを、全部奥さんにまかせっきりになるので、申し訳ないなという気持ちにもなります。とはいえ、僕がやっていることは大したことじゃないけど(笑)。感謝しなくちゃいけないと思っています。

 家族と会えないことを除けば、キャンプを苦痛に感じることはないですね。
 確かに毎日のトレーニング量は多いし、宿舎での生活は味気ないものではあるけれど、思う存分、サッカーに集中できる環境は、チームにとっても、僕自身にとっても貴重な時間になるので。
 去年、移籍してきたばかりの僕にとって、キャンプはチームメイトとの交流を深めるうえで、とても効果的な時間になりました。毎年移籍加入選手の多いアルビレックスでは、シーズン前の長いキャンプでチームの輪を強化することができるんだと思います。今シーズンの新加入選手たちは、すぐにチームに溶け込んでいましたね。長期キャンプも必要がないくらいに(笑)。

 シーズン前のキャンプでは、1年間戦うための下地となるフィジカル作りのトレーニングからスタートします。キャンプ前にも新潟で1週間ほどトレーニングがあるのですが、室内でのフィジカルトレーニングも多く、僕はマシーンでランニングをするのが好きじゃないので、キャンプ地でトレーニングが待ち遠しかったです。

 しっかりと追い込んだ身体を念入りにケアする――毎日それの繰り返しですが、身体のトリートメントについても、キャンプだからこそ、シーズン中とは違った形で、自分の身体と向き合えることもあります。
 身体を休めるという意味でも十分な時間がとれるので、“鍛えて休む”という基本的なことに集中できるこの時間は、プロ選手として欠かせない時間だと考えています。
 そして、チームメイトと話す時間も自然と長くなるので、練習で出た課題や疑問点などについて、いろいろとコミュニケーションが取れるのも合宿だからこそだと思います。
 
 食事と練習と身体のケア以外、特別やらなければいけないこともないキャンプ中は、食事が楽しみという気分になることもあります。キャンプ地が変わるたびに地元の美味しい料理などを味わえるので、そこも問題はないですよ。

 キャンプ中は、普段はなかなか時間が作れない読書ができるのもうれしいですね。
 選手の中には、サッカー漬けだから、読むものはサッカー関連以外の雑誌や書籍が良いという人もいるみたいですが、僕が選ぶのは欧州サッカー特集の雑誌や本ですね。それはサッカー選手だから……という感じで、「何かを学ぼう」とか「参考にしよう」という風に、仕事として読んでいるわけじゃなくて、純粋にサッカーファンとして読んでいます。

 今、読んでいるのが『知られざるペップ・グアルディオラ サッカーを進化させた若き名将の肖像』という本です。まだ、読み始めたばかりですが、結構面白そうです。
 僕はFCバルセロナが大好きで、ソシオ会員になろうと真剣に考えたことがあるくらいです。
 最初はメッシが好きで見ていた部分もありましたが、次第にイニエスタに注目したりとどんどん、そのサッカーにのめりこんでいきました。
 そんなFCバルセロナのサッカーをより高めていったペップへも強い興味を抱いています。

 今シーズンから彼が指揮するバイエルン・ミュンヘンについても注目しています。まだ、ブンデスリーガが見られる契約にしていないので、チャンピオンズリーグしか見られないんですが、それでもバイエルンがベップによって、進化しているなと感じます。
 昨シーズン3冠を達成したバイエルンをさらに上のレベルへと引き上げようとするペップの意欲やサッカー観などに触れたくて、その本を選んだわけです。

 いよいよJリーグが開幕します。
 昨シーズンは、シーズン後半に勝ち点を重ね、5連勝を飾ることができ、7位となりましたが、もっと上を狙えると思っています。僕自身のゴールが少なかったのは、課題です。

 開幕へ向けて、しっかりと準備できました。でも、現状に満足しているわけではないのも事実です。レギュラー・ポジション争いは日々厳しいと感じているし、チーム内の競争に勝ち残るためには、「達也を使いたい」と思わせるプレーを常に見せていく必要があるので、足りないものを埋めていく作業は続けていかなくちゃいけないと思っています。

 同時に「サッカーを楽しむ」という気持ちは失いたくない。
 そのためにも向上心を持って、まだまだ伸びていけると信じ、ボールを蹴ることが大切になります。毎日味わっている悔しさを力に変えて、今季もチャレンジし続けたいと考えています。
 みなさんの変わらない熱い応援に後押しされるばかりではなく、期待に応えられるシーズンにしたいと思います。

【構成/寺野典子】

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