ヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝の中継をご覧になった方は、表彰式でスタンドへ上がった選手のなかに、金髪の少年がいたのに気づかれただろうか?

少年はメダルを受け取ったトーレスの後ろについて、UEFAのミシェル・プラティニ会長と握手をした。プラティニ会長は一瞬、「なんだこいつは?」というような表情を見せたが、周りで見ていた者も、「いったいあれは誰だ?」となったに違いない。たとえチェルシーの選手の家族だとしても、表彰式に参加するはずはないのだから。すると、ちょうどカップがランパードとテリーに渡される直前、UEFAの関係者があわてて飛んできて、少年の手を引いてどこかへ連れて去った。

実はこの少年、チェルシーの選手の家族でもなんでもなく、試合を観戦にきていた11歳のリヴァプールファンだったのだ。

リヴァプールエコー紙が報じたところによると、ウェストダービーに住む少年、ルイス・カーンズは家族と一緒にアムステルダム・アレナにベンフィカ対チェルシーの決勝戦を観に来ていて、試合後、写真を撮ろうと、表彰式を待つ元リヴァプールのフェルナンド・トーレスとラファ・ベニーテス監督のもとに駆け寄った。そして、そのままトーレスの後ろについて階段を上がり、選手たちを迎えるプラティニのところまで行って握手をしてもらったのだ。

リヴァプールエコー紙のインタビューに答えたルイスは、このときの様子を次のように語っている。
「フェルナンド・トーレスは僕の一番好きな選手なんだ。それで、今がチャンスだと思って、彼の写真を撮りに走って行った。トーレスとは話もしたし、ジョン・テリー、エデン・アザール、ミシェル・プラティニとも話をしたよ。カップに触りたかったから、連れ去られたときにはすごくがっかりしたよ。ほんとにすごい経験だったけど、優勝したのが僕のリヴァプールだったら最高だったんだけどなあ」

リヴァプールでテレビ観戦していた彼の叔母は、「テレビで見ていて、『あれはうちのルイスじゃないの!』って大騒ぎよ。最初は信じられなかったけれど、ブロンドヘアと、トーレスの横にいるのを見て確信したわ。もう少しでメダルをもらうところを見て、大笑いしたわ」と話した。

ルイスと父親は大のスポーツ好きで、よくいろんなスポーツの試合を観戦に訪れるそうだ。

さあ、ルイス少年の冒険をご覧あれ。