新シーズンの到来を告げるゼロックス・スーパーカップが23日に行われた。結果はリーグ王者の広島が、天皇杯王者の柏に１─０で勝利。佐藤寿人の鮮やかなボレーシュートも去ることながら、全体的な内容としても広島の勝利が相応しかったように思うね。

広島は非常に落ち着いていて、柏をいなすような雰囲気すらあった。昨シーズンの優勝で得た自信が、そのままチーム力につながり、一つレベルが上がったようだ。ガンバがＪ２となった今、新しい「西の横綱」としての地位を確立しつつある。

対して「東の横綱」が生まれるとすれば、鹿島、浦和、柏あたりが候補になってくるだろう。特にトニーニョ・セレーゾ監督をはじめ、J2得点王のダヴィ、進境著しい中村充孝らを補強した鹿島には注目している。トニーニョ・セレーゾはクラブもリーグも知り尽くしているし、上位争いに絡んでくるんじゃないかな。

翻って、下位を予想すると、どことは言わないが、降格候補となりうるクラブはたくさんある。団子状態のリーグにおいて、上位グループも下位グループも、どこがどうなってもおかしくない危険性をはらんでいるように思うね。

成績が読みづらいという意味では川崎の名も挙げられる。独自の理論を持った風間監督体制も２年目。シーズン途中で就任した昨季よりも、今季は準備段階から入れているから、そのサッカーはかなり浸透しているだろう。風間監督のお手並み拝見というところだ。その動向はメディアも注目しているようで、つい先日には、「他クラブと違って、風間監督がキャンプで走り込みをさせない」というのが取り上げられていた。そうした報道に対して、風間監督は、「走ってうまくなったことなどない。サッカーの体力はサッカーでつけるべき」といった主旨の言葉で返している。
　
実に風間監督らしいコメントだと思うけど、果たして実際はどうなるだろうね。サッカーは走る必要性のあるスポーツだ。僕も現役時代、体を作る上でかなり走り込んだ気がする。もちろん風間監督の言うようにただ走るだけではダメだが、川崎が今シーズンどんな戦いを見せるのか、注視したいと思う。
　
いずれにしろ、開幕が楽しみだね。