年末に近づき、日本のサッカー界はストーブリーグに突入した。すでに決定した清水の大前元紀をはじめ、この冬で海外へ渡る選手も何人かいるだろう。国内では、優勝した広島から、中心メンバーである森脇良太が浦和に移籍した。広島から浦和という流れは、ペトロヴィッチ監督、柏木陽介、槙野智章に続いて4人目だ。

この移籍に関して、サポーターの間では様々な議論が起こっているようだ。浦和が「引き抜いた」、というような表現も目立つけれど、そんな人聞きの悪いものではなく、浦和としては当然の行為だろう。

そもそも監督が移っている時点で、年々広島化が深まっていくのはしょうがないことだ。自分の選手たちで自分のサッカーを作り上げる監督ならば、誰が来ても同じことをするだろうね。結果を出している監督の意向に従って動くのは、チームとしても普通のことだ。

問題は、勝っても給料が上がらず、選手に出ていかれてしまう広島の悲哀だ。これは今季の仙台も同様だね。関口訓充という主力選手が、やはり浦和に移籍した。優勝した、あるいは好成績を残したことが逆に仇となり、有能な選手が買われていってしまう。勝って喜べるようで、喜べない。そういう状態だね。選手たち自身は、プロなのだからお金で動いて当然だよ。ただでさえ短い選手生活の中で、どれだけ自分の価値を高めていくか。より高評価=高給を提示してくれるチームに移籍するのは、世界の常識でもある。
  
浦和にとっては、年俸の高い田中達也が退団することで浮いたお金だから、「勢いに乗った大量補強」というのとは少し趣が違う。すべては予算社会だから、浮いた予算分で別の選手を獲った、というだけの話だね。言葉は悪いけど、まるで回転ずしのようだよ。そこに発展性というのは見出だせない。

優勝したチームが、翌年戦力ダウンする。残念だけど、これが今のJリーグの現実だ。広島には、それでも見返してほしいという期待を持っているよ。