あの手の笛はブラジルでも見かける
[Daniel Munoz / Reuters]


改めてW杯最終予選の3試合を振り返ると、格下相手にいいスタートを切り、3試合で計勝ち点7という結果は非常によかったと思う。ただしその中身のすべてがよかったかと言われればそうではない。

引き分けに終わったオーストラリア戦では、立ち上がりから相手のパワーに圧されていた。放り込みサッカーを批判する声も多いが、それもまたひとつのサッカーだ。相手が10人になってからようやく自分たちのサッカーをすることができたけど、ああいうプレーをしてくる相手に対しての弱さは拭えないままだね。

ザッケローニ監督の手堅い采配にも不満を感じる。この試合では、サイドを崩しても、中で勝負できる人間がいなかった。ならば終盤にハーフナー・マイクか、とも思ったが、結局使われずじまい。この試合で使わなかったら、いつ使うのだろうか。選んだ意味がないよね。
また、レフェリーの判定がひどかったという感想が氾濫している。レベルは高くなかったが、冷静に見ると、たとえば栗原がカードをもらったシーンに関して、確かに手は出ている。どの程度でカードを出すかは、試合が始まってすぐにわかったはずだ。これがこのレフェリーの基準であるのだから、めちゃくちゃにブレていたわけではないね。

ロスタイムにFKを蹴る前にタイムアップの笛が鳴ったのも、日本のベンチと選手の状況判断のミスとも言える。レフェリーはあの場面で必ずしも待つ必要はない。そんなルールはどこにもない。早く蹴らなければ笛を吹かれるという意識を持って、素早く蹴る、あるいはベンチから早くするように指示を飛ばすべきだったと思う。あの手の笛は、ブラジルのリーグ戦なんかでも見かけることはあるよ。

勝ち点7はよかった。ただしその先のレベルを考えたときに、両手をあげて喜ぶわけにはいかないね。

さて、W杯予選が一段落すると、今度は五輪だ。14日には予備登録メンバー35名が発表され、オーバーエイジ枠の3人も判明した。センターバックの吉田麻也、サイドバックの徳永悠平、GKの林彰洋という選出だったわけだが、この人選を見た感想は、「?」だ。守りをテコ入れしなければならないというのはわかるが、この3人である根拠が不明瞭だ。
 
GKとサイドバックには、A代表に選ばれている権田修一と酒井宏樹がいる。林はどの立場でロンドンに連れて行かれるのだろうか。吉田はW杯予選でケガを負った。程度は軽いというが、わざわざケガ明けの選手を呼ぶこともないだろう。単純な戦力だけでなく、いろいろな思惑があってこうなっているのは容易に想像できるけど、それにしてもわかりづらい。

チームをゆっくり作る時間はなく、五輪はぶっつけ本番に近い。その行末に不安を覚えるのは、僕だけじゃないはずだ。